大地震に襲われたメキシコでは、これまでに少なくとも死者が90人に達したとされています。被災地では倒れた建物から逃げ遅れた人たちの救助活動や治療などの支援活動が続けられています。
日本時間の8日午後にメキシコ沖の太平洋を震源とするマグニチュード8.1の大地震が起きました。メキシコ南部のオアハカ州やチアパス州を中心に、幅広い地域で建物が崩れるなどの被害が出ています。
エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は「この国で観測された地震としては、少なくとも過去100年で最も強い」と話し、首都メキシコ市(Mexico City)で1万人以上が死亡した1985年の地震よりも強かったということです。今回の地震の強さついて、地震学サービスはマグニチュード(M)8.2と推定していますが、その一方米地質調査所(USGS)は85年の地震と同様の8.1としています。
メキシコ政府は、これまでに90人の死者を確認したということすが、地震が起きてから48時間が過ぎたにもかかわらず、被害の詳しい様子はまだはっきり分かっていません。
今も各地で崩れた建物の下にまだ人がいると考えられており、大きな被害を受けたオアハカ州の都市フチタンでは、クレーンなどを使って必死の救助活動が実施されています。フチタンでは約5千の住宅が破壊されました。それだけではなく、教会や学校も壁などが崩れ、街の様々なところが通れなくなりました。軍や警察が政府の緊急事態宣言を受けて、警備を実施しています。
また、支援活動も始まっていて、メキシコ政府が派遣したお医者さんたちが、被災者の健康状態を確認したり薬を配ったりしていました。子供の薬をもらいに来た44歳の女性は政府に水や食料の支援をお願いしたいと話していました。そのほか、30代女性は寝る所と食べ物がないことに不安を感じています。
ペニャニエト大統領は8日、フチタンやチアパス州などの被災地を訪れ、できるだけ早く支援することを約束しました。フチタンでは水不足や停電などが続いており、住民の不満が高まっています。