埼玉県と群馬県の系列総菜店で買ったポテトサラダなどを食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染した集団食中毒について、前橋市前橋保健所と市衛生検査課職員らは13日午後3時から市内で記者会見を行いました。そして、東京都内の3歳女児が同市の「でりしゃす六供店」で各種サラダや炒め物を食べて死亡したことを公表しました。
前橋市によりますと、女児が食べた食品は先月11日に六供(ろっく)店で作って、販売されました。女児は12時ごろに家族ら11人で食べたというです。女児が食べたのはタケノコやエビの炒め物など加熱した総菜で、ポテトサラダなどのサラダ類は食べていないそうです。また女児は、ほかの患者と同じく11日に販売されたものを食べ、体調がよくないことを伝えました。O157による溶血性尿毒症症候群を発症し、今月8日に死亡したということです。
厚生労働省によりますと、検査の結果女児から発見されたO157の遺伝子はこれまでに感染した人たちから検出されたO157と同じだったということです。ポテトサラダに関連した食中毒の問題でこの女児が初めての死者となりました。
この店では、総菜がふたのない状態で大皿に入れて販売され、客が同じトングを別の総菜にも使い回せる状態だったと前橋市は明らかにしました。
このため細菌がどのように入ったかについて、前橋市は炒め物が作られた後、店の環境を原因として汚染が広がった可能性があると指摘しました。
前橋市保健所の渡邉直行所長は、不特定多数の利用者が好きなものを好きな量だけ自分で取り分けるこの店では、食の安全を確保するためにより確実な対策をとる必要があると話ました。
保健所には、このほか、女児と同じ総菜を食べた60代の女性もO157に感染したことを明らかにしました。ポテトサラダに関連した食中毒の問題で感染した人は、亡くなった女児を含め、すでに22人となりました。