神奈川県大磯町では、去年から中学校の給食が提供されるようになりましたが、給食について生徒やその保護者の評判が悪く、多くの食べ残しが出ています。これを受けて教育委員会が対策を検討していることがわかりました。
去年1月から2つの町立中学校で給食を導入しました。しかし、大磯町によると、食べ残しの割合は平均26%で、最大で55%にも達しました。この割合は、環境省が2015年に調べた小中学校の全国平均6・9%と比べると非常に多いことが分かります。
例えば、給食を済ませた2年生の1クラス31人の中で、おかずを残さず食べたのはわずか1人しかいませんでした。中にはほとんど食べなかった生徒もいました。あまりにも食べ残しが多いため、保護者からは食べ残しの多さを心配する意見が上がり、むしろ給食を取りやめたほうが良いという意見もありました。
給食は、綾瀬市の業者が調理と配送を、町職員の栄養士が食材の発注とメニューの作成を担当しています。2校の生徒は計約760人で、業者への委託料は年間約3300万円がかかっており、保護者はそれぞれ月に4900円を支払うことになっています。
メニューは栄養のバランスやカロリーなどを考えて作られた給食は、味や見た目が良くなかったり冷めてしまったりしていることが多く、初めから評判が良くなかったということです。
教育委員会は給食の食べ残しについて、深刻な状況だと認識しているというコメントを発表し、食べ残しを減らすよう取り組みを進める姿勢を明らかにしました。
町教育委員会は7月、生徒や保護者、先生を対象にアンケート調査を実施しました。これは給食をどのくらい食べているかや、残すおかずとその理由などを質問するもので、現在結果を分析しているということです。大磯中学校の青木弘校長はこの事態を受けて、生徒の意見をよく把握し、なるべくそれを反映させる必要があると話しました。
町は食べ残しを減らすため、今月下旬から、これまで食べ残しが多かった野菜を温かい汁物に加えたり、これまで塩分のとりすぎを防ぐために採用していなかったふりかけをつけたりすることにしました。さらに、弁当の持ち込みをすべての生徒に認める選択制を導入することも検討するということです。
町教委の野島健二教育長は、食べ残しを減らすためにできることは何でも試し、「おいしい給食」目指したいと話しました。