23日午前、関西空港を飛び立った旅客機から重さ約4キロの部品が落下して、大阪市を走っていた乗用車にぶつかりました。けがをした人はいなかったということです。国の運輸安全委員会は、これを航空事故になる恐れのある「重大インシデント」と断定し、大阪に航空事故調査官を派遣して、これから部品が落下した原因を調べることにしています。
国土交通省関西空港事務所によりますと、23日午前11時ごろ、関西空港を飛び立ったオランダ行きのKLMオランダ航空のボーイング777型の旅客機から部品が大阪市の道路に落下し、道路から跳ね返った部品がちょうど乗用車にぶつかったということです。
落下したのは、主翼の後ろの胴体部分に覆っている複合素材のパネルの一部です。この部品の大きさは、縦およそ60センチ、横およそ1メートルで、重さはおよそ4.3キロということです。
部品がぶつかった乗用車は、屋根がへこみ、後ろの窓ガラスが割れましたが、運転していた病院職員で51歳の女性と助手席に座っていた47の親類女性にけがはありませんでした。
旅客機には乗客乗員321人が乗っていましたが、部品の落下による異常は怒らず、そのまま目的地に向けて飛行を続けました。この旅客機はすでに、オランダの首都アムステルダムに到着しています。
KLMオランダ航空は24日、部品の落下を引き起こしてしまったことを残念に思うという声明を発表しました。また、情報を受けてすぐに原因を調べ始め、運輸安全委員会や製造メーカーのボーイング社とはしっかりと連絡を取り合っていると話しています。
旅客機から落下した物が走っている乗用車にぶつかるのは初めてです。
国の運輸安全委員会は、部品の落下を航空事故につながる恐れのある重大なトラブルであることを示す「重大インシデント」と断定し、24日午後、空港事故調査官二人を大阪に派遣しました。航空事故調査官は、落下した部品を調べたり、航空会社など関係先への聞き取り調査をしたりして、原因を調べることになっってます。