警察庁は28日、新東名高速道路の一部区間での最高速度が、11月1日から試験的に時速110キロまで引き上げることを決めました。
静岡県警察本部は28日、11月1日から新東名高速道路のうち、静岡県内の一部区間において、最高速度の上限を時速100キロから110キロまで試験的に引き上げると発表しました。最高速度が引き上げられることになったのは、新東名高速道路の新静岡インターチェンジから森掛川インターチェンジまでの上下線の約50キロの区間です。
その一方で、トラックやバスなどの大型車の最高速度は、時速80キロのまま変わりません。また、車線が片側3車線で距離が10キロ以上つづく区間では、大型車が追い越し車線を走行することは制限されるということです。
最高速度の引き上げは、昨年3月に警察庁など専門家による委員会が、一定程度の速度の引き上げは可能だと発表したことをうけたものです。警察庁は、この区間では最高速度を越えて走行する車が多いことを踏まえて、最高速度を120キロまで引き上げることを考えて作られた区間では、これまで事故も比較的少ないことなどから、最高速度を引き上げてもよいと判断しました。
高速道路の最高速度が引き上げられるのは、昭和38年に国内で高速道路が開通してから初めてのことです。静岡県警は最高速度の引き上げや大型車の車線が規制されることを示す標識を設置し、ドライバーに注意を呼びかけることにしています。
警察庁は年度内にも、東北自動車道の花巻南インターチェンジから盛岡南インターチェンジまでのおよそ30キロの区間でも引き上げることを計画しています。警察庁は最高速度を最低でも1年間は引き上げたままにして、実際の走行スピードの変化や交通事故の発生状況についてデータを集め、それをもとに新東名と東北道の両区間でのさらなる最高速度の引き上げや、ほかの高規格の高速道での引き上げについても検討することにしています。