1日朝、長崎県佐世保市の住宅地にイノシシが現れました。その結果、2人がイノシシに手をかまれて指の骨を折る大けがをしたほか、イノシシは原付バイクや車にも衝突しました。午後になって2人を襲ったと見られるメスのイノシシが、警察や猟友会によって市内で発見され、駆除されたということです。
長崎県警によると1日午前7時55分ごろ、同市金比良町で、バイクとイノシシがぶつかったことを知らせる110番通報がありました。原付バイクには60代の女性が乗っていて、イノシシと衝突した衝撃でバイクは転びましたが、女性に怪我はありませんでした。イノシシはこの後、自動車にもぶつかりました。
このほか、8時過ぎに車いすに乗った59歳の男性が頭や手をかまれたほか、さらにその15分後には89歳の女性が体当たりを受けて、手をかまれました。警察によりますと、2人は指の骨を折る大きなけがをしたということです。
イノシシにおそわれた車いすの男性を助け出そうとした63歳の男性は、左手をかまれた男性が車いすから落ちて動けないのを見て、玄関にあったゴルフクラブのアイアンでイノシシを追い払おうとしました。イノシシを一度叩けばびっくりして逃げ出すと考えたということですが、イノシシはそのまま逃げずに向かってきて、かまれないようになんとか防いだということです。また男性は、近くでイノシシの顔を見たので、しばらく夢に出てきそうだと話しました。
警察や地元の猟友会などが警戒していたところ、イノシシは事件からおよそ6時間後の午後2時前、2人が襲われた現場近くで見つかり、道路わきの側溝に追い込まれたあと、猟友会に駆除されました。警察によりますと、イノシシはメスで体長が120センチあり、午前中に2人を襲ったイノシシと見られるということです。