21日、イオンはグループの全国の小売店およそ7000店を対象に、来年1月から成人向け雑誌の販売を中止する方針を固めました。傘下のコンビニ「ミニストップ」が12月から千葉市内で先に取り組みを始めます。その理由は、女性や子供が安心して店舗を訪れられるためです。それに、コンビニ各社も今後の対応を検討し、そうした動きが広がる可能性があると見られています。
イオンが展開するコンビニエンスストアの「ミニストップ」は21日、まず千葉市内の店舗で先行して今年12月1日から成人向け雑誌の販売を中止し、来年1月から全国に拡大すると発表しました。
さらにイオンでは、コンビニに加えてスーパーや書店などグループの全国すべての小売店およそ7000店を対象に、来年1月から成人向け雑誌を販売中止する方針を明らかにしました。
イオンが販売中止する対象は「各都道府県が条例で18歳未満への販売を禁止した雑誌類」などです。傘下の各スーパーや書店チェーン未来屋書店のほか、インターネットでも販売をやめます。
成人向け雑誌の取り扱いを全面的にやめる理由について、イオンでは、女性や子どもが店舗を利用しやすい環境を整えることです。それに加え、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国では一般の小売店で成人向け雑誌を取り扱うことが珍しいとされ、訪日旅行者にも配慮する必要があると判断したためです。
また成人誌とは別に、「レディースコミック」などの過激な性表現が含まれるような漫画も今後議論になるかもしれません。それについて、イオンも対応を検討しています。雑誌以外の一般書籍でもコンビニなどの流通経路への依存が大きくなっている出版業界に影響が出るということです。
コンビニ業界では、2004年に成人誌のページが開かないようにシールで留めるなど自主規制のガイドラインを設けました。現在、コンビニ大手3社セブン―イレブン・ジャパンとローソン、それにファミリーマートは今後の対応を明確に決めていません。セブンは成人誌の売り上げがよくない店では販売しない一方、ローソンはフランチャイズ加盟店のオーナーに判断を任せています。
ファミリーマートは昨年3月から堺市の11店舗で表紙の一部をフィルムで覆って陳列する方式で販売し始めました。他の地域ではオーナーの意向を重視するとともに、学校の近くや病院内の店舗には基本的に成人誌を置いていないという前提があります。