マツタケの産地として有名な岩手県岩泉町では、今年とれたマツタケの収穫量が、本来期待されているよりもはるかに少ないことがわかりました。8日の秋祭りでもマツタケの販売が中止されたほか、岩泉まつたけ事業協同組合によるマツタケの通信販売も受付を取りやめています。
岩手県岩泉町は、「岩泉まつたけ」というブランドのマツタケの産地で、おととしの収穫はおよそ10トン程度でした。
しかし協同組合によると、今年は8月の長雨と寒さの影響で発生時期が例年より10日ほど早まったため、マツタケがじゅうぶんに収穫できず、中には収穫量が平年の1割程度しかない農家もあるということです。
とれたマツタケも品質が悪く、虫が入っていたり、腐ったりしているものもあります。マツタケを県内有数の規模であつかう山田町豊間根の芳賀栄三さんは、毎日マツタケを探しに山に入っていますが、見つかるマツタケはわずかだということです。芳賀さんは、今回ほどの不作は1992年以来だと話しています。
「龍泉洞秋まつり」では生マツタケとホイル焼きの販売を予定していましたが、不作の影響でとりやめて、代わりにマツタケご飯の弁当を販売するということです。
昨年の秋まつりでもマツタケを販売する予定でしたが、台風10号の豪雨による被害を受けて、まつりは中止になっていました。まつり実行委員会は、今年の秋祭りを復興支援への感謝を示す場にしようと準備をすすめており、関係者は中止という結果にがっかりしている様子です。
協同組合は今年3月、「岩泉まつたけ」を特許庁の地域団体商標に登録し、先月20日にインターネットでの注文を受け付けはじめたところでしたが、販売をはじめて5日後にはそれをとりやめました。
事務局の岩泉商工会の担当者は販売休止について、商標を取得して販売を始めようという段階になって中止になるのは残念だが、自然の状態によってはとれなくてもしかたがないと話しました。