18日、警視庁サイバー犯罪対策課は、仮想通貨「リップル」の取引所「リップルトレードジャパン」(RTJ社)代表を、顧客から現金をだまし取った疑いで逮捕しました。リップルの取引所の摘発は全国で初めてで、警視庁が会社の実態などを調べています。
逮捕されたのは、仮想通貨「リップル」の取引所「リップルトレードジャパン」の代表で、京都市山科区に住む31歳の竹中優樹容疑者です。竹中優樹容疑者は大筋で容疑を認めています。
警視庁によると、竹中容疑者は2015年3月、RTJ社が事実上すでに倒産し、返金する能力がなかったにもかかわらず、顧客との取引を続け、リップルの取引をしようとした宮城県の41歳の男性から現金140万円をだまし取ったとしています。そのほか、竹中容疑者は同様の手口で40人以上から計約1700万円を不正に集めていた疑いがもたれています。
「リップル」とは、米国のベンチャー企業が発行する仮想通貨で、正式名称は「XRP」です。米IT大手「グーグル」がこのベンチャー企業に資金を出したり、国内銀行がリップルを利用した国際送金網への参加を表明したりしたことで、リップルへの注目が高まっています。
リップルの取引所は顧客から現金を受け取るかわりに、顧客にたいしてリップルの取引に必要な「IOU」と呼ばれるインターネット上の債権を発行します。IOUを受け取った顧客はそれをリップルに交換したり、保有するリップルを現金に換えて払い戻したりできます。
警視庁サイバー犯罪対策課によると、竹中容疑者は集めた現金をつかって架空のIOUを自分宛てに発行し、現金など1億円以上を受け取っていた疑いもあるということです。同課はこうした取引の経緯などについて捜査しています。
警視庁は、関係先を捜索するとともに、詳しいいきさつや会社の実態などについて調べています。