内閣府が行った「救急に関する世論調査」によると、救急車を呼ぶかどうか相談できる窓口があることを「知らない」と答えた人が70%以上いることがわかりました。総務省消防庁は不必要な救急車の出動を減らすためにも、より広く知ってもらえるよう活動したいとしています。
また、内閣府の調査では、全国の救急車の出動件数は、去年1年の間におよそ621万件と過去最高を更新し、10年前と比べ18・6%増えました。救急車が通報を受けた現場に着くまでにかかる時間も長くなり、重症者への救急対応がますます難しくなっています。この救急に関する世論調査は全国の18歳以上の3000人を対象に行い、1790人から回答を得ました。
その調査の結果によると、救急車を呼ぶかどうか迷ったことがあるか聞いたところ、28.5%が「ある」、71.5%が「ない」と答えました。また、症状が軽く救急車による搬送が必要ない人に、救急車を呼ばずに自分で病院へ行ってもらう取り組みの進め方を聞いたところ、67.6%が「積極的に進めるべき」、26.3%が「慎重に進めるべき」と回答しました。
東京都など全国7地域では、電話で救急車を呼ぶかどうか専門家に相談できる「救急安心センター」(電話番号#7119)、全都道府県には「小児救急でんわ相談」(同#8000)があります。
そうした救急車を呼ぶかどうかの相談窓口などを挙げ、知っている窓口を複数回答で答えてもうと、「知っているものはない」という回答が72.1%と最も多く、知っている窓口では、「救急安心センター」がわずか13%、「小児救急でんわ相談」も11.6%しかありませんでした。
総務省消防庁の担当者は「相談窓口などが知られていないことが課題としてわかったので、緊急性の低い出動を抑えるためにも周知を図っていきたい」と話しています。
同庁は電話相談のほか、インターネットの「救急受診ガイド」や、スマートフォンで症状の重さや、すぐ病院に行くべきかどうかの判断や医療機関情報が入手できる全国版救急受診アプリ「Q助」を利用するよう勧めています。